本日の中国新聞から

         再発乳がんの新薬発売

全く新しい抗がん剤が使えるようになった。再発乳がんの治療薬「ハラべェン」で、エーザイ(東京)が20年かけて開発し、7月から発売している。手術不能乳がん患者の生存期間
を延ばす薬として注目している。
ハラべェンは再発乳がん患者762人を対象に国際臨床試験(治験)が行われ、生存を平均2.7ヶ月延ばした。

単剤投与で再発乳がん患者延命を示したのは初という。
日本でも80人で治験して、ほぼ同様の結果が得られた。昨年の米国を最初に、今年に入って
欧州やシンガポールで順次承認され、発売された。

細胞は染色体の微小管が伸びて遺伝子を複製、盛んに分裂する。ハラべェンはこの微小管の
伸長のみを阻害する。従来の抗がん剤とは作用の仕組みが違うのも、期待されている理由の一つだ。

週1回通院して静脈内投与。2回続けて1週休み、3週のサイクルを繰り返す。治験に参加した愛知県がんセンター中央病院乳腺科の岩田宏治部長は「1回の投与は2〜5分で済み、患者の負担はごく少ない」とみる。

治験では白血球を減らす副作用は大半の患者にあった。感覚神経障害も約20%に見られた。
岩田部長は「骨髄抑制や発熱などに注意する必要があるが、通常は社会生活を送りながら
、治療を受けることができる。ただ、急に普及すると、予期せぬ有害事象が出るかもしれない。使うのは薬物療法に経験の深い医師が望ましい」と話す。

エーザイは市販後全例調査に準じ、約500例の症例を集計して分析する方針だ。また、適応を肉腫や肺がんなど、他のがんへの拡大を目指して治験を進めている。

保険診療の薬価は日本独自の技術革新という側面も評価され、初めて40%という大幅な加算が認められた。1ヶ月の薬代だけで約40万円。健康保険が使え、自己負担はその3割以下になる。

対象患者は約3万人。岩田部長は「この新薬で乳がんと闘う武器がひとつ増えた。患者のニーズにより応えられる意義は大きい」と話している。

またまた乳がん患者さんにとって良法ですね。期待しています!!!
             事務局 藤井でした