がん患者大集合から

2005年に島根の報道カメラマン佐藤さん、医師の三浦先生達が色々な困難を乗り越え

大阪でがん患者大集合が放送された。あの時の加藤さんの姿は今でも鮮明に思い出せる。

2007年に広島で開催された時、アンダンテメンバー10名で参加し、その時の熱い空気を

忘れません。その時寄せられた声が本になり、私の愛読書になっています。

印象に残る文章を皆様に知って頂きたく掲載します。

「いつも遠い空から見守っています」お母さんが娘さんの事を書かれたものです。

「娘はいつもいつも前向きで生きていました。看護師という職業柄、たくさんの人達の

死とも向き合っていましたし、自分の病気が簡単なものでない事も熟知していました」

亡くなった娘さんの残された手紙です。「本日はお忙しい中、来て下さりありがとう

ございます。平成10年に「がん」が分かりました。3年9ヶ月を皆さんと家族に見守られ、

いろんな思いや葛藤を胸に手術や化学療法を行ってきました。「何があっても病気に

負けたくない」という思いが強くいろいろな治療をしましたが、残念ながら完治には

至りませんでした。自分なりにその時々、一番良い方法を探してやってきたと思って

いるので、後悔はないつもりですが、できることならもう少し生きていたかったです。

こんな形を迎えるのはとても不本意ですが、これも運命のようです。26歳で発病して以来

毎日が戦いでした。いつも気を張って、休まる時がなかった。でもいつも皆が支えてくれました。今までのお礼も兼ねて、支えてくれた皆さんに、私が気づいた事を伝えたいと思います。

「日々の大切さ」です。元気な時は「時間は永遠に続くもの」と思っていますが、本当は

そうではないと知りました。それからは私自身、自分の人生に真摯に向き合えたように思います。誰もがいつか、必ず死にます。だからこそ、「生きている今」を大事に過ごして欲しい。毎日の生活に後悔しないよう、精一杯生き抜いてほしい。

私は29年間という時間しか得られませんでしたが、今、思えば幸せだったように思います。
皆さんに支えられて、励まされていたから。皆と過ごした時間、思い出を胸に一足お先に

逝きますが、いつも遠い空から見守っています。最後に私がいなくなっても、さびしがり屋の母の為に話し相手をしてやって下さい。」

皆様はどう生き、死にますか?後悔のない人生といえる29歳、真摯に病気と向き合ったから
言える言葉でしょうか?
       時々生き詰まる度にこの本を読む藤井でした